ワークショップ「他者になる」
■概要:
本イベントは、「他者になる」というテーマを身体を通じて思考し、議論することを試みる実験的ワークショップである。人類学において、「自己」と「他者」の境界は様々な視点から論じられてきた。特に近年の憑依やパフォーマンス研究においては、身体や情動、感覚に焦点を当てながら、「他者になる」状態を探究する議論が注目されている。一方、西洋の近代演劇では、俳優が「他者になる」状態を作り出すために、様々な演技理論と方法論が構築され、試行されてきた。日本の近代演劇は、このような西洋の方法論を取り入れることから始まったが、その後、劇と俳優や演技の関係が再考され、今日では多くの独自の演劇論と実践が展開されている。
本イベントでは、こうした人類学と演劇の動向を「他者になる」ということを結節点としてつなぎ、分野横断的に議論する。近代演劇と神楽といった演技のワークショップに参加し、そこから生じる情動や感覚を通して、「他者になる」ことや「自己と他者」の境界について、従来の学術的な議論の枠組みとは異なる発想で捉え直し、理解を深めることを目指す。
■日時:2024年12月22日(日)11:00~17:50
■場所:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階303/大会議室
■定員:25名(先着順)
■参加費:無料
■申し込み先:
■プログラム
11:00 趣旨説明 (東京外国語大学・村津蘭)
11:10 発表1:憑依の人類学における「自己」と「他者」の境界線の考察 (京都大学・デ・アントーニ アンドレア)
11:40 発表2:近代以降の日本の演劇における演技 (立命館大学・柴田 惇朗)
12:10 昼休憩
13:00 ワークショップ1:近代演劇の演技法と観客の受容構造(日本大学芸術学部・松山立)
14:40 ワークショップ2:日本古典(神楽)とポストモダンにおける演技(俳優・岸本昌也)
16:00 総合討論
17:50 終了
共催:学術知共創プログラム「身体性を通じた社会的分断の超克と多様性の実現」、TUFSフィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)、基幹研究人類学「社会性の人類学的探究:トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序」